【コラム】内戦状態の中央アフリカ共和国で暴力が激化、食人行為も。

2014年の初頭、世界中でそれぞれが必死に押さえつけていた問題が、一斉に現実に露呈しはじめた。タイでは民主主義の原則が意味を失くし、クーデターによる事態収拾が現実的になっている。世界でも最も新しい国家の南スーダンでは、独立のためにともに戦った二つの民族が対立、政府軍と反乱軍に分かれた激しい戦闘を行っている。またアメリカを襲っている大寒波も、地球温暖化の副作用としての“極渦”という現象を原因とする声もある。

そして世界で最も貧しい国とされる中央アフリカ共和国は、どうやらこれまで経験してきたなかでも最悪に近い混沌状態にあるらしい。

【1月12日 AFP】反体制勢力の指導者から大統領に転じたミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)暫定大統領が辞任した中央アフリカの首都バンギ(Bangui)で、激しい暴力が起きている。

1960年に他の多くのアフリカ諸国と同様に独立した中央アフリカ共和国は、それ以来、今に至るまで政治的安定期を迎えたことはない。独裁と関係諸国からの干渉、そしてクーデター。この50年間、政治はその本来の機能を果たさずに、資源に恵まれた豊かな大地を持ちながらも、経済は常に停滞を余儀なくされた。

2012年12月に新たにクーデターによって政権を奪取した武装勢力の連合体「セレカ」は近隣諸国からの激しい非難のために、国家の孤立を生んだ。内陸国家にとって、周辺国からの孤立状態では政権維持は不可能だった。セレカは解散へ追い込まれ、国内統治は主体を失い、一気に治安は悪化する。混乱はキリスト教徒とイスラム教徒との対立を生み、それは互いの虐殺行為へと発展する。

2013年12月には旧宗主国のフランスを含むアフリカ各国から人道危機を名目とした4000名近い兵士の派兵が実施され、治安も回復へ向かうかとも思われたが、暫定大統領が周辺国からの圧力によって辞任したことをきっかけに、治安は再度悪化する。

またAFP記者の報告によると、市内で略奪が相次いでおり、群衆が店のドアを壊しているという。略奪された店の多くはイスラム教徒が経営しており、地元の赤十字の代表は、昨年3月に「(イスラム教系の)セレカ(Seleka)がこの地に到着した時に略奪の被害に遭った人々が、今度は逆に略奪を行っている」と語る。

この国の現状を理解するのを困難にしている最大の要因は、政府と反政府という対立関係があまりにも簡単に逆転してきた経緯にある。過去の被害者が今では加害者となり、そして過去の加害者が今では被害者となる。そういったスパイラルは永遠には続かない。いつかは限りある国内の生命財産を自傷的に食いつぶし、やがては何もなくなってしまう。今、中央アフリカは間違いなくゼロに近づいている。

目撃者の話から、略奪を行った者の中には食人行為に及んだ者もいると報告されている。

一部の凶行としての食人行為も、民族対立や宗教対立という国家的な自食行為を繰り返すことも、きっと意味的にほとんど同じなのだろう。

引用記事:AFP BB News

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