【映画】『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』レビュー ※後半部にネタバレあり

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 エドガー・ライト監督、サイモン・ペグ、ニック・フロスト共演による最新作『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』のレビューです。『ショーン・オブ・デッド』、『ホット・ファズ』に続く、「血とアイスクリーム三部作」の最終部となる本作、2014年4月日本公開。最高の一言でした!

ストーリー

 更正プラグラムを終えたばかりのゲイリー・キング(サイモン・ペグ)は中年にもなってフラフラしているボンクラ。そんなゲイリーにはひとつの心残りがあった。それは20年前に、他の4人の親友たちと故郷のニュートン・ヘイブンにある12のパブ全てをはしご酒で回るというチャレンジを達成できなかったこと。そしてゲイリーはあるきっかけから、もう一度それに挑戦しようと決心し、昔の仲間を集める。アンディ(ニック・フロスト)、サム、スティーブン、オリバー、ピーターらを説得し、5人の幼馴染みは故郷に結集する。
 ニュートン・ヘイブンで壮大なはしご酒を開始するもアンディは禁酒しており、ひとり水を飲む。ハイテンションなのはゲイリーだけで、残りの4人はあまり乗り気ではない。また途中でオリバーの妹で、昔ゲイリーとスティーブンが恋敵となったサムも参加する。
 そんななか、パブのトイレで、ゲイリーは一人の若者とつまらないことで喧嘩をしてしまう。そして争いのなか、ゲイリーの反撃でその若者の首は簡単にもげて、頭からは青い血が滴る。その若者はロボットだったのだ。アンディたちもトイレに駆け込んでくると、今度はロボットの仲間も参戦。パブのトイレで人間対ロボットの闘いがはじめる。
 なんとか勝利を収めたゲイリーたちであったが、それは地球の終わりのはじまりでしかなかった。

レビュー “予習、復習のための覚え書き”

 この映画を見る前にはエドガー・ライト監督、サイモン・ペグ、ニック・フロスト共演作を予習しておきましょう。まずはゾンビ映画の傑作『ドーン・オブ・ザ・デッド(邦題ゾンビ)』を英国風に再現した「血とアイスクリーム三部作」の第一部。
▼『ショーン・オブ・ザ・デッド』▼

そしてポリス・アクションにホラー・サスペンスの要素をねじ込んだ第二部。
▼『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』

 この2作はストーリー上は『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』と全く関係ないけど、事前にDVD等で見ておくことを強く推奨します。というのもこれらはコメディー映画でありながら決して万人受けする映画ではないため、ある種のリトマス紙としての役割が期待でします。もし仮に前2作を見て面白いと感じられなければ、きっと本作も面白くないです。しかしメチャクチャな設定ながらも、この世界観にハマったのなら外れることはないです。絶対に観ましょう。
 前作の『ホット・ファズ』が日本では署名運動によって公開されたことからも分かるように、日本でもコアなファンに好かれる一連の作品ですが、その理由はこのシリーズ作品に限らずエドガー・ライト監督やサイモン・ペグ、ニック・フロストが絡んだ映画に必ず彼らの映画への愛が溢れているからです。好きすぎるが故に、映画内は他の作品からの引用やオマージュなどが散りばめられています。しかもそれらのほとんどが映画賞などとは無縁のボンクラ映画ですので、同じような映画が好きなファンにとっては嬉しいことこの上ないのです。
 本作でも予想通り、これって見たことあるなー、というシーンの連続でした。特にベースとなっているにはジャック・フィニイ原作の『盗まれた街』 です。

 そしてこの原作は過去にドン・シーゲルやフィリップ・カウフマンらに『ボディー・スナッチャー』として映画化されており、それらを一通り観ておくと、面白さも倍増します。

 その他にも『光る眼』や『ゾンゲリア』などのホラー映画も。

 最近の映画だと『銀河ヒッチハイクガイド』や『アタック・ザ・ブロック』などの香ばしさが本作鑑賞中には、プーーンと匂ってきます。

 そして『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』までも。

 ただそういったメタ的な楽しみ方をしなくとも本作にはいくつも見所があります。アクションシーンの撮り方は日本のアンドロイドドラマも見習ってほしいほどに上手いし、 途中に明かされる秘密や友情、そして何より最後のオチなど、どれもとても素晴らしいです。こういう映画を見ると、やはり日本映画に絶対的に足りていないものは、映画への愛情だということがよく分かります。そしてその愛情を隠し立てすることなく大声で叫ぶことの大切さです。『踊る大捜査線』にもたくさんの他作品からの引用がありますが、そこに正直な愛の告白があったでしょうか。『ガッチャマン』を作った人たちには、今ガッチャマンを作り直すために必要な切実さや愛情があったのでしょうか。
 この映画を観ると、映画がもっと好きになりますし、好きで良かったと心から思えます。現在の日本映画が目指すべきは『トランスフォーマー』でも『アベンジャーズ』でもなく、こういった映画だと思います。

※これより本作のネタバレ部分に言及します。2014年4月に日本公開が決定していますので、劇場鑑賞まで情報を最小限にしたい方はこれより他のページに移動することを強く推奨します。繰り返します、ネタバレします。※

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 故郷のニュートン・ヘイブンがロボットに支配されていることを知った5人は、平静を装うためにはしご酒を続ける。途中で再会したサムもこの街の異変に気がつき合流するも、次に入ったパブには20年前の姿を再現した女の子たちが現れて、酔っぱらったゲイリーやアンディを誘惑する。しかしサムの前に死んだはずの知り合いが現れたことで、それらがクローンだということがわかり、5人は外に出る。そしてとうとうロボットたちとの大乱闘へと発展する。
 何とかサムは車に乗せて街から脱出させるも、いつの間にかオリバーはロボットに乗っ取られ、 ピーターやスティーブンもロボットに捕まってしまった。そしてとうとう最後のパブ『ワールズ・エンド』に到着するも、こんな状況でも酒を飲もうとするゲイリーにアンディは激怒し喧嘩になる。しかしその最中にアンディはゲイリーの手首に病院のバンドが巻かれていることに気がつく。それはゲイリーが自殺未遂を行った跡だった。ゲイリーがこれほどまでにはしご酒にこだわっていた理由は、人生最高の日々にやり残したことを達成することで、自分の人生を終わらせようとしていたのだ。
 アンディはゲイリーに最後の一杯を飲ませないよう試みるが、そのとき、パブの床が回って地下へと連れ去られてしまった。そこにはロボットを司っている、実体のない「ネットワーク」と呼ばれるものが、ゲイリーに対して永遠の青春を与える代わりに服従を迫る。それをゲイリーとアンディが 拒んだため「ネットワーク」は崩壊し、ニュートン・ヘイブンも粉々になるも、サムが車で迎えに来てくれたため脱出に成功する。
 その後、世界はあらゆるテクノロジーを失い、暗黒の時代へと入っていった。アンディは家族の元に戻り、生き残っていたスティーブンはサムと暮らしはじめていた。ネットワークを失ったロボットたちは民衆から差別を受けながら世界に留まっていた。
 そしてゲイリーは酒を断って、故郷の荒廃したニュートンに戻っていた。ゲイリーのもとには4人の20年前の姿をした幼馴染みの姿が。彼らはロボットだった。そしてゲイリーは彼らを従えて新しい冒険に出ていた。

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▼というわけで日本公開まではまだ時間がありますが、すでに海外ではブルーレイが発売されています。▼

▼本作を含む、輸入版「血とアイスクリーム三部作」DVD▼

とにかく最高に面白い映画でしたので、是非観てください。きっと損はしないです。オススメです!

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