【映画】『トランスフォーマー/ロストエイジ』レビュー ※後半部にネタバレあり

公開と同時にアメリカ及び中国で大ヒットを記録している『トランスフォーマー/ロストエイジ』のレビューです。ロボットSF映画でありながら、マイケル・ベイが得意とする“カーアクション”、“ビキニ”といった要素に加えて、同じロボット映画という括りで『パシフィック・リム』をネタにしまくる独特のユーモアも健在。2時間40分の間に休む暇はなく、見終わった後はぐったりとする映画でした。日本公開は2014年8月8日。

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・ストーリー、前半 ※ネタバレなし

〜太古の昔、まだ恐竜が闊歩する地球に突如として現れる謎の宇宙船団。緑豊かな地球は、灰色の金属のような物体によって覆い尽くされてしまう。逃げ惑う恐竜たちもまた、その謎の物体に乗り込まれてしまうのだった〜

そして舞台は現代へ。5年前のオートボットたちによるシカゴでの闘い(トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン)を受けて世界は激変していた。テキサス州パリに暮らす発明家のイエガー(マーク・ウォールバーグ)も、中古の廃材やらを購入し修理することで生計を立てるギリギリの暮らしを強いられている。そして彼の悩みの種が目下17歳で、大学進学を控える最高にホットな娘テッサのこと。

ある日、廃材あさりで訪れた廃墟の映画館でイエガーは謎のトラックを発見する。それを相棒のルーカスとともに購入し、自宅に運ぶのだが、調べてみるとそのトラックには地球上に存在しない金属が使用されていた。

一方、アメリカではCIA主導によるディセプティコンの残党狩りが行われていたが、隠された本来の目的とは、5年前の惨劇から味方のはずのオートボットまでも敵視する反トランスフォーマー組織であるKSIが暗躍するオートボット狩りであった。そこにはディセプティコンの賞金稼ぎロックダウンも参加しており、人間側として戦ったオートボットのラチェットは人間とディセプティコンの連合によって殺害されていまう。そして彼らKSIが行方を追い続けているのが、オートボットの隊長にして、誇り高き戦士のオプティマス・プライムだった。

イエガーが見つけたトラックの正体こそが傷ついたオプティマス・プライムだった。そしてイエガーはオプティマスの傷を治すことをはじめるのだが、その過程でKSIにオプティマスの所在がバレてしまい、イエガーとその娘のテッサは命の危機を迎えることになる。そのとき、納屋の奥に隠されていたオプティマスが登場し、イエガーとテッサを救出。オプティマスがKSIに応戦するなか、イエガーらは突如として現れた謎のドライバーの運転する車に拾われる。実はそのドライバーはテッサの彼氏であり、そんなことは聞いていないイエガーは激高するも、状況は危機的であり、ともに乗り越えることを選択する。しかしKSIはディセプティコンのロックダウンも引き連れており、その攻撃によってイエガーの相棒だったルーカスは死んでしまう。

そして何とか生き残ったイエガーらはKSIの追手から逃れつつ、オプティマスの元に結集したオートボットの生き残りである、バンブルビー、ハウンド、クロスヘアー、そして侍タイプのドリフト(声は渡辺謙)とともにKSIの作戦を止めようと画策する。

そこには人類滅亡へと至る巨大な闇が隠されていた!

・感想 ※ネタバレなし

前作の『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』も150分以上の長尺映画のために、集中して最後まで鑑賞するのに苦労したが、本作はさらに10分長くなっており、しかも前作以上に頭の痛くなる設定のために、見終わった後はぐったりとしてしまった。難しい内容など一つもなかったはずなのに、何も考えたくなくなるのだ。これを人はマイケル・ベイ的パラドックスと呼ぶ。

しかしこの映画も前作以上にマイケル・ベイの映画となっていた。決して映画作家として評価されている監督ではない彼の映画監督としての作家性が遺憾なく発揮されており、マイケル・ベイのファンにはたまらない映画となっている。テキサスのど田舎に存在するはずのないホットパンツを履いたグラマラスな美女の集団。カーアクションをこなすことが存在理由となっているピカピカの車たち。そして小学生がゲラゲラ笑いそうなギャグ。特に本作でのギャグはこれまでのシャイア・ラブーフが主演したシリーズにあった思春期下ネタではなくて、他の映画作品をネタにしているものが多かった。特に『パシフィック・リム』への意識が相当で、そもそも主人公の名前が「イエガー」だし、他にもジプシー・デンジャーの胸部のリアクターを意識したシーンや、登場人物の1人にギレルモ・デル・トロそっくりの男を配役させたりとやりたい放題。またイエガー家の所在地が「パリ、テキサス」だったりする全く不必要なギャグまで入れ込んでくる。こういったギャグを笑えるかどうかでマイケル・ベイの個人的な評価はかなり変わってくるだろう。

また本作のクライマックス・シーンは中国が舞台となり、米中合作娯楽大作映画としても話題となった。事実中国では歴史的な大ヒットなっているが、この点においてハリウッドが中国に跪いたという批判もあるようだが、別に中国賛美映画でもないのでそこまで意識する必要もないと感じる。そもそも高騰化する映画制作において、資金の回収のためには中国マーケットは最早無視できるものではない。事実、件の『パシフィック・リム』の制作費が回収でき、続編へのゴーサインが出されたのも中国でのヒットがあったからで、生き馬の目を抜くハリウッドにおいては中国トレンドが生まれることは当然のことだ。逆にこれまでの『パールハーバー』のような映画が撮られなくなる可能性も出てくるので、逆に良いのかもしれない。

この映画の中について何を語ればいいのか検討がつかないが、とにかく「スゴい」映画であることに変わりはない。とにかく派手で、中身がなく、それでいて見ていて体の心から疲労する映画である。車からロボットに、恐竜からロボットに、の連続のロボット大騒動に加えて、マーク・ウォールバーグの「ローン・サバイバー」ぶりもスゴい。この映画は「良い、悪い」で判断されるべきものではなく、ただただ「スゴい」という感想しか生まれないのだ。後半には空から船が落ちまくってくるし、ジャッキー・チェンばりの中国的雑居マンションでのアクションもある。

アクションもとにかく過剰で、特に本作の高所アクションはかなり「スゴい」。高所恐怖症の人は見ているだけでも辛い思いをすることが必至な、映画史から見てもとんでもないものとなっている。個人的にはこの部分に一番お金を払った価値を感じた。

色々とこの映画について語ることは可能かのかもしれないが、結局はやはり「スゴい」の一言で回収できる映画だとも思う。とにかく疲れたよ。

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次のページにネタバレのストーリー解説を行います

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