『X-ファイル 2016』第2話レビュー(ネタバレあり)「変異」

14年ぶりに帰ってきたシーズン10となる『X-ファイル』の第2話「変異」のレビューです。再びFBI超常現象捜査官として復帰したモルダーとスカリーのコンビが立ち向かうのは、謎の施設に囲われている奇形児たちの謎。そしてモルダーを襲う謎の幻聴の正体とは?

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『X-ファイル 2016』エピソード2 「変異/Founder’s Mutation」

全米放映2016年1月24日/日本放映2016年夏/オカルト/44分

監督:ジェームズ・ウォン

脚本:ジェームズ・ウォン

出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン、ミッチ・ピレッジ、ダグ・サヴァント、ほか

 


レビュー

全6話のミニシリーズとして復活した『X−ファイル』の新シリーズ第2話は、ひとりの男の自殺からはじまる。

ある研究機関に科学者として働いていたその男は、突然謎の幻聴に悩まされる。甲高く頭のなかに鳴り響くその音は、彼だけにしか聞こえておらず、やがてその音に耐えかねた男は研究室の一室に逃げ込み、急かされるように自分が関わっていたと思われる研究資料をパソコンから消去している最中に、幻聴から命令されるようにして近くにあったも「物差し」を自分の脳みそに突き刺し自殺してしまう。

そしてその不審死事件の現場に派遣されたのは、前話からFBIの捜査官として再びタッグを組むことになったモルダーとスカリーだった。 不審死を遂げた男の身辺を調査する過程で、彼が勤めていた研究機関の謎が徐々に浮かび上がり、検視を担当したスカリーは男の手のひらに「Founder’s Mutation/創立者の突然変異」と殴り書きされているのを発見する。そして「Founder/創立者」とは研究機関のオーナーであるゴールズマン博士を意味することも突き止める。

二人は死んだ男の部屋を捜索すると、そこには奇形の子供たちを写した写真が多く飾られていた。足が異常に巨大化したり、顔じゅうに緑の鱗が生えたりする奇形児の写真を見ていると、モルダーを突然原因不明の幻聴が襲いかかる。高音でモルダーだけに聞こえる音は、何かのメッセージのようだった。

研究機関の実態調査を進めようとする二人だったが突然FBIからこの事件から手を引くようにと命令される。それは国防省の意向ということだったが、奇形の子供たちと研究機関が事件の真相の鍵となると睨んだ二人はそのまま捜査を続行する。

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<ここからエピソードのネタバレ部分>

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1話完結型のストーリーとなっているが、前話で描かれたエイリアンに誘拐され、その子供を宿したとする女性のエピソードと緩やかに繋がった内容となっており、スリリングかつミステリアスな展開が見事なエピソードだった。

第2話で描かれる謎を単刀直入に説明すると、エイリアンと人間のミックスを作り出すということにある。エイリアンと人間のDNAをかけ合わす、もしくはその両者のDNAが混ざった存在を生み出すということ、つまりはミュータント。『X-MEN』に象徴されるような特殊能力を備えた新人種。そしてこの設定は過去の印象的なエピソードと表裏の関係となる。つまりスカリーとモルダーの息子だ。

第8シーズンで不可思議な展開ののちに妊娠したスカリーはウィリアムという男の子を出産している。そしてその父親はモルダーだと思われるが、一部には宇宙人説というのも根強く、このエピソードではその不確かさが存分に活かされている。

ゴールズマン博士は奇形に苦しむ子供たちを預かる病院施設も運営していた。そこで二人は博士と面会するも、その最中に一人の錯乱した少女が手も触れていないものを動かす現象を目にする。

前話で描かれ、過去シリーズでも仄めかされていた人間とエイリアンのミックスとしてのミュータントが、謎の組織による大規模な実験の結果であり、現在もその途上であることが示唆される。

そして捜査を続行するモルダーとスカリーは、研究者の不審死に関わっている可能性がある少年の存在を掴む。彼は管理人として研究機関として働きながら、現在は里親のもとで暮らしていた。そして彼の父親は誰だがわからず、実の母親も死んでいた。

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第1話がシリーズ全体の謎と独立したエピソードの謎のバランスが悪く掴み所のない印象が強かったのだが、第2話では1話完結という鉄則をはっきりと自覚した上で、このシリーズだけでなく過去シリーズとも物語レベルで繋げようとする試みが成功したエピソードだと言える。テレビドラマらしいテンポの良さが物語のミステリーを巧みに演出しており、初見でも難なく理解できる一方で、過去シリーズを見返したくなる作りになっていた。特にスカリーの(モルダーの?)子供であるウィリアムを巡る現実と妄想は、第2話そのものには影響を与えないながらも今後の展開で重要な鍵となる可能性を提示している。

もちろんこのエピソードも『X-ファイル』の伝統に基づき、解かれる謎とさらに深まる謎が互いに入り組む構造になっており、独特の中毒性が見事に再現されていた。

本話の監督・脚本は『DRAGONBALL EVOLUTION』の前科があるジェームズ・ウォンなのだが、やはり彼の得意分野とは小規模な世界を舞台にしたミステリーなのだということがよくわかる。もともと『X−ファイル』のテレビシリーズで注目されただけあってちゃんとツボも抑えているし、初見者にも優しい作りになっていた。

第1話では宇宙人、そして第2話ではサイキックというオカルトの王道を行く『X-ファイル』新シリーズ。『X-MEN』 好きにもオススメできる大満足なエピソードだった。

『X-ファイル 2016』第2話 「変異」:

▶︎X-ファイル 2016 (字幕版) [AMAZON ビデオ]

▶︎『X-ファイル 2016』全話レビュー

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『X-ファイル 2016』第2話 「変異」
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