【映画】『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』レビュー

ジェニファー・ローレンス主演の話題作『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』/THE HUNGER GAMES:MOCKINGJAY – PART1』のレビューです。前作は2013年公開映画のなかで全米最高収入を記録。独裁国家キャピタルへの反乱に加わったカットニス(ジェニファー・ローレンス)の葛藤を描く本作は、シリーズ最終章の前半部に相当。本作でも主演のジェニファー・ローレンスの追い詰められる演技は必見。日本公開は2015年6月に決定。

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■ストーリー、前半■ ※ネタバレなし

富裕層の見世物として行われたサバイバル・ゲームのなかで、独裁国家への反乱軍によって助け出されたカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、ピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)と離れ離れになってしまう。そして第13地区に設けられた反乱軍の地下都市に匿われたカットニスは、そこで反乱軍のリーダーであるアルマ・コイン(ジュリアン・ムーア)や実は反乱軍の幹部だったプルターク(フィリップ・シーモア・ホフマン)と話し合いを持つが、彼らは反乱軍の象徴としてカットニスを担ぎ上げたかった。しかしカットニスはキャピタルに囚われたままのピータを想い、決断できずにいた。

そんななか故郷である第12地区を訪れたカットニスは、街が完全に破壊され、人骨であふれる故郷を見て激しい罪悪感とともに独裁国家への憎しみを募らせる。

そしてカットニスを動揺を見透かすように、キャピタルはテレビ番組にピータを起用し、そこで反乱軍に対して戦いを止めるように訴えかける。そんなピータの姿を見た反乱軍の人々が口々にピータを罵るのを見たカットニスは、キャピタルに囚われているピータほかのサバイバルゲーム参加者を守ることを条件に反乱軍の象徴として活動することを承認する。

そしてカットニスはキャピトル出身のテレビ・ディレクターであるクレシーダと他のクルーを引き連れて、再び第12地区を訪れ廃墟となった地区でプロモーション映像を撮影し、他の地区の人々に反乱軍に加わるように訴える。反乱の象徴であるモッキングジェイ(マネシカケス)を形どったスーツを纏ったカットニスは、瞬く間に反乱軍の広告塔となっていくも、ピータの身を案じずにはいられない不安定な日々を送ることになる。

前作詳細:『ハンガー・ゲーム2/The Hunger Games:Catching Fire』レビュー ※ネタバレあり

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■レビュー■

2014年公開映画のなかでも注目度トップクラスの超話題作ということで、この盛り上がりはティーン小説のメイン読者層以外にも広がっている。本作はシリーズ最新作にして、最終章の前半部に相当するため、映画としてのテンションは次回作の最終作に絶頂をもっていくために抑え気味に作られている。まず本シリーズが注目を浴びたのは、完全に階級化された独裁体制において下層に位置する少年少女が自由のために互いに殺しあうというサバイバル設定の過激さと社会批判性にあったのだが、本作では過去シリーズにあったサバイバルゲームは行われない。そのためアクション映画としての醍醐味は本作には全くない。

過去2作で徹底的に描かれていた独裁国家キャピトルへの本格的な逆襲が始まる作品として本作は位置付けられており、見どころの大部分はカットニス演じる主演のジェニファー・ローレンスの葛藤にある。反撃の狼煙をあげた反乱軍の高揚感と相反するようにカットニスはキャピタルに囚われたままのピータを想い、引き裂かれるような想いを抱く。その一連の心模様をしっかりと表現してしまうジェニファー・ローレンスの演技力は同年代の俳優とは明らかに質が違っている。前作同様に、本シリーズの成功はジェニファー・ローレンスなくしてありえないなかっただろうし、本作のような、いわゆる次作への”つなぎ”のような作品にあってこそ彼女の存在感はより際立つ。

また前作から反乱軍の幹部役として登場したフィリップ・シーモア・ホフマンは、撮影途中での急逝となったが本作での出演シーンのほとんどは撮影済みだったことから、違和感なく物語全体に関わっている。事実上本作が彼の遺作ということになりそうだ。

この手の二部構成の前半部の作品は評価を下すのが非常に難しいのだが、やはり盛り上がりに欠けるという印象は拭えない。反乱軍によるキャピトルへの攻撃も描かれるのだが、主題がカットニスの視点にあるため、手を叩いて喜ぶこともできない。ただし、特に原作を読んでいない方(筆者も)には次回作への期待感は終盤から一気に高められることになることは間違いない。これまでも散々いたぶられ続けたカットニスだが、そこまで追い込むか、という残酷な終わり方をしている。

本作は、2015年11月20日に全米公開が予定されている最終作へとつながる作品なだけにファンは当然必見である。また前作を見ていないとチンプンカンプンだと思うので、鑑賞予定の方は復習も必須である。とにかく弄ばれるジェニファー・ローレンスの葛藤演技だけでも十分に価値ある一作。日本公開は2015年6月。

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※次のページにストーリー後半のネタバレあり※

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