映画レビュー|『ゲット・ハード/Get Hard』-安定の教訓ZERO

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ウィル・フェレルとケヴィン・ハート共演の『ゲット・ハード(原題)/GET HARD』のレビューです。ヘッジファンドに勤める白人金持ちが、身に覚えのない詐欺容疑で逮捕されたことから、収監前の30日間で刑務所で生き残れるタフな男に生まれ変わろうと努力するバカコメディ。『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』などの脚本かイータン・コーエンの長編監督デビュー作。

『ゲット・ハード/Get Hard』

全米公開2015年3月27日/日本公開未定/アメリカ映画/100分

監督:イータン・コーエン

脚本:ジェイ・マーテル、イアン・ロバーツ、イータン・コーエン

出演:ウィル・フェレル、ケヴィン・ハート、アリソン・ブリー他

あらすじ(ネタバレなし)

ヘッジファンドの投資家として大金持ちになったジェームズ・キング(ウィル・フェレル)は、会社の社長の娘とも結婚することが決まり、何不自由のない生活を送っていた。しかし婚前パーティで調子にのってギターを引いている最中にFBIに逮捕されてしまう。罪状は詐欺と横領だったがジェームズには身に覚えがなく、社長の指示に従って弁護士を雇い無実を訴えるも、結果は有罪。見せしめもあってかジェームズは特に囚人には厳しい刑務所で10年間の収監を命じられてしまう。

なよなよしてヘタレのジェームズは刑務所で生き残れるとは思えず、彼は駐車場を経営する黒人のダーネル(ケヴィン・ハート)の訓練のもと、収監までの30日間でタフな男に生まれ変わろうとする。

しかし実はダーネルも刑務所に入った経験などない普通の黒人で、その訓練は徐々におかしな方向に。

果たしてジェームズはタフな男に生まれ変われるのか、厳しい特訓の幕が切って落とされた!

レビュー

格差や人種問題を描きながらも安定の教訓ZEROバカ映画:

『俺たち』シリーズで日本でも人気のウィル・フェレル主演で、相棒には黒人コメディアンのケヴィン・ハートを迎えて作られた本作は、安定のバカっぷりを遺憾なく発揮した、とにかくバカな映画だった。

ウィル・フェレル演じる白人金持ちのキングはヘッジファンドで勤め電話一つで、錬金術のように金を生み出すトレーダー。大豪邸に住み、ホットなフィアンセは会社の社長と申し分ない日々を過ごしている。そして婚前パーティにはジョン・メイヤーを招待したりするのだが、その時、身に覚えのない容疑で逮捕されてしまう。まあ、ネタバレにもならないと思うが、キングは優秀なトレーダーでありながら、基本的な部分がバカな男だから都合よく利用されていたのだった。

そうとも知らずに世間の非難を一斉に浴びたキングは、見せしめも兼ねてハードな刑務所に10年も放り込まれることになる。困った彼は自分を騙した真犯人を見つけ出そうとはせずに、顔見知りの黒人に刑務所で生き抜くための作法を特訓してもらうことになるのだが、この辺りから人種的なかなり怪しいギャグがいくつも放り込まれる。フェレルが演じるのはデータ至上主義のバカ白人ということで、彼からすればほとんどの黒人が犯罪者ということになるらしく、車をノックされただけでカージャックだと思い込んでしまう。

本作が酷評される原因のひとつに、この黒人やゲイを巡るギャグが一線を越えているという指摘もあってこればかりはどうも言えないのだが、しかしフェレルの設定自体が白人のどうしようもないバカという、一種の白人デフォルメの結果なので、彼の差別的な言動は結局は自身の馬鹿さに回収されていると思う。本作は『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』でもそうだったが、ウォールストリートで働くホワイトカラーたちの生態を槍玉に挙げておきながら、結局はバカがやりたかったというだけの映画なので、あまり難しいことは考えたくない。

それでもバカ映画としても本作が一定の水準に達していない理由は、いくつかのシーンで飽きるくらいに似たようなドタバタが繰り返されること。しつこいのだ。同じような失敗は本作の監督イータン・コーエンが脚本を務めた『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で見られたが、本作ではさらにひどくなっている。ケヴィン・ハートがギャーギャー言うだけでに何が面白いのかわからない。俺たちが見たいのはもっと下品で不謹慎なやつなのだ。

ジョン・メイヤーのカメオが一番笑えるシーンで、ケヴィン・ハートの空回りがちょっと痛々しい。まあ、バカ映画に文句つけるのも野暮なのだろうし、とにかくバカであることは評価できる。格差問題や人種問題を取り上げながらも、結局はそんなもん全部ケツに穴にぶち込むような態度は評価したい。まったく、安定のバカ映画なのだ。

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ということでウィル・フェレルとケヴィン・ハート共演の『ゲット・ハード(原題)/GET HARD』のレビューでした。タイトルの「ゲット・ハード」とは「硬くする」とか「強くあれ」とかそんな意味ですが、そういう意味で色々と悪ふざけの対象にもなっています。バディー映画のホモ的側面を強調した映画ですが、登場するのはウィル・フェレルとケヴィン・ハートですからあまりそういった需要は期待できないでしょう。でもバカでいいですよ。こういう映画はどれだけダメでも一つ星は付けません。バカにオススメのバカ映画です。以上。

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