【映画】『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』レビュー

20年ぶりにジム・キャリーとジェフ・ダニエルズのコンビが復活。1994年の大ヒットコメディー映画の続編『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』のレビューです。20年という時間が流れてもアホは変わらないということを実感しつつも、同時に「これじゃない」感もある本作。それでもファレリー兄弟の悪ノリは健在です。日本公開は2015年11月20日。

Dumb and dumber to

■ストーリー、前半■ ※ネタバレなし

20年前の失恋?(前作)から精神病院に入院しているロイド(ジム・キャリー)は、親友のハリー(ジェフ・ダニエルズ)を見分けられないほどに重篤な症状を見せていた。

そしてある日、ハリーがロイドのお見舞いに行くと、突然ロイドがハリーにいたずらを仕掛けてくる。実はロイドはハリーを驚かすために20年間もの間、精神病のふりをし続けていたのだった。死ぬほど驚いたハリーだったが、オムツの替えの時に小便を撒き散らしたりしていたのも全て演技とわかると、ロイドの凄まじい演技力に感動してしまう。

しかし実は健康体だったロイドに対し、ハリーは腎臓の病気を抱えておりドナーを必要とするまでになっていることが明かされる。

そこでドナー探しのために、ハリーの両親の家に行くも、見た目は中国人で英語も話せないハリーの両親は、彼の実の両親ではなく、里親だったという衝撃の事実が明かされる。彼らがハリーのドナーになれないことを告げられた二人だったが、その時、父親からハリーの元カノから手紙が届いていたことが明かされる。そこには、彼女が妊娠したことを告げる内容が書かれており、日付は1991年となっていた。そしてかつてハリーと付き合っていたという手紙の送り主のもとへ行った二人は、そこでハリーの娘が住む家の住所を聞き出す。

ハリーのドナー探しの旅は、そこに科学者や暗殺者や横恋慕や勘違いなどが入り乱れる珍道中と様変わり。果たしてハリーは娘と会うことができるのか?20年ぶりに再結成されたロイドとハリーのアホコンビは旅路の果てに何を得るのか!?

■レビュー■

リメイク、リブートが盛んな現在のハリウッドにあって、20年ぶりに続編が作られたのが本作『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』。前作はファレリー兄弟の実質的なデビュー作ということもあり、カルト的な人気を誇っていたが、ここへきてオリジナル・キャストで続編が作られるとは驚き以外のなにものでもない。

内容はといえば、ファレリー兄弟の原点とも言える、バカとアホたちによる一貫して過激なコメディであるが、主演の二人の高齢化がどうしても痛々しく見えてしまう。ジム・キャリーも今や52歳、ジェフ・ダニエルズに至っては来年還暦を迎えるのだ。そのため二人の、特にジェフ・ダニエルズには動きにキレがなく、走っていても「のそのそ」としていて、その姿に観客も時の流れを感じずにはいられない。それでも、オリジナル作品同様のアホ役を演じきったことは評価に値するだろう。

しかし”時代遅れ”感はやはり否めない。20年前の前作に「とにかくアホに徹する」ことの意味があったのに対して、近年ではそういったコメディーは珍しくもなんともない。健常と障害のぎりぎりを描くことで、それぞれの性質を個性として描くファレリー監督の作家性も、本作ではほとんど機能していないし、出発地点とゴールが実は同じだったという物語の構成も、ここ20年の間にコメディーではよく作られるようになった形だ。

もちろんテロや病気や政治腐敗など嫌なニュースが目白押しの2014年において、こういった無意味で無邪気な映画が作られることは歓迎できるが、20年前に前作を見た人々が本作を見ても、当たり前のことだが20年前と同じように無邪気に楽しめるわけではない。しかし本作を今の若者が期待して鑑賞するとも思えず、どこをターゲットとしているのかよくわからないまま映画が終わった印象だ。

それでもコメディーに説教臭さが加わるようになった昨今の作品と比べれば、アホの純度は桁違いに高いことは間違いない。不謹慎とか倫理とかそういった面倒なことは忘れて、とにかく馬鹿笑いしたいという意味においては、本作はやはり面白い。

前作をリアルタイムで観た世代には、色々と過去を振り返りたくなる効果もあるので、自分の成長を確かめるために鑑賞する価値は十分にあると思う。

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※次のページにストーリー後半のネタバレあり※

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