『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』監督のルッソ兄弟インタビュー①

『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』監督のルッソ兄弟によるインタビュー前半部を翻訳してみます。「セブンやファーゴ、ゴッドファーザーといった作品から影響を受けた心理的スリラー」、(長いので前後半に分けます)

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『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』ルッソ兄弟インタビュー①

参照:collider.com/captain-america-civil-war-joe-anthony-russo-interview/

2016年を代表する話題作『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』の監督であるアンソニー・ルッソとジョー・ロッソの兄弟がインタビューに答えていますので翻訳します。とても興味深い内容です。今回は前半部の翻訳となります。

-『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』のスケールについて教えて下さい。前作『ウィンター・ソルジャー』も決して規模の小さな作品ではありませんでしたが、それ以上に多くのキャラクターが関わるなど、さらに大きな作品となるように思えます。まだまだ大きくなっていくのでしょうか?

ジョー・ルッソ:確かに広大な作品だね。たくさんのキャラクターが登場し、しかもすべてが重要な意味を持つため、映画のなかで彼らが物語に関わり続けるようにすることに注意した。どれだけのキャラクターが登場するかは映画を見ればわかるが、彼らはすべてが大きな物語の輪を形成し、その存在感が大きくなることで物語全体が広がっていく、まさに叙事詩的な映画だと言える。『ウィンター・ソルジャー』よりも明らかに大きな物語だ。キャラクターのスケールにおいても議論の余地はないよ。

アンソニー・ルッソ:とても複雑な構造なんだが、これまでの作品で描かれてきたキャラクター間の諍いや問題とは全く違うレベルの対立が描かれることになる。誰もがそれぞれの主役を作品のなかに見出して、他のキャラクターを眺めることになる、とても複雑なプロセスなんだ。こういった面でもこの作品は挑戦的であり、同時にエキサイティングでもある。

-彼らの対立とはどういったものなのでしょうか?

アンソニー・ルッソ:映画の中ではっきりと描かれるよ。

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-それは『シビル・ウォー』の始まりでしょうか?

ジョー・ルッソ:その点について我々は「見開きページ」のようなシークエンスを用意している。コミックブックのファンなら経験があるだろうが、素晴らしい作品というにはページを開けたとたんに物語に取り込まれてしまうんだ。そして15分ほど夢中で立ち読みしている最中に店員の咳払いで我にかえるんだ。この映画にもそういったシークエンスがあるんだ。

-『ウィンター・ソルジャー』ではいくつかのシーンがIMAXカメラで撮影されていますが、そのシークエンスもIMAXでしょうか?

ジョー・ルッソ:そのシーンは15分ほどだが、IMAXで撮影しているよ。IMAXカメラで撮影した唯一のシーンだ。最新式のカメラで次作『インフィニティ・ウォー』でも使うことになるんだ。

-『ウィンター・ソルジャー』のコメンタリーで各シーンがどういった作品から影響されたのか語っていましたが、今作においてはどういった作品に影響されたのでしょうか?

アンソニー・ルッソ:『ウィンター・ソルジャー』は政治スリラーとして強く意識していた。そして今作は心理的スリラーと言えるかもしれない。『ウィンター・ソルジャー』から継承される部分は多いが、細部では一層に進化しており、複雑な登場人物が織りなす心理スリラーのようなんだ。主要キャラクターたちが他のキャラクターたちと衝突することを扱っているからね。

ジョー・ルッソ:奇妙な話かもしれないが、『セブン』からは強い影響を受けている。『セブン』や『ファーゴ』などや、比較するわけではないが影響という意味では『ゴッドファーザー』もだね。なぜなら『ゴッドファーザー』も多くのキャラクターが入り乱れることで世界観が広がっていく物語だ。それぞれのキャラクターが 繋がっているんだ。他にもあるかな?

アンソニー・ルッソ:(ブライアン・)デ・パルマもそうだ。でもすべてを挙げるのは不可能で、その気になればもっと話せるよ。

ジョー・ルッソ:『ランブルフィッシュ』(1984年、コッポラ監督作)を彷彿とするシーンもあるしね。

アンソニー・ルッソ:それからキャラクター同士の対立には西部劇からも影響を受けたよ。

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-『ウィンター・ソルジャー』では「正直な予告編(Honest Trailers)」や「映画の問題点(Cinema Sins )」といった相手もうまく騙しましたが、今回も「何も矛盾なんてない」という結果となるのでしょうか?

ジョー・ルッソ:そんなことはわからないけど、我々にとってロジックは非常に重要なことだ。長い間脚本と格闘してきた。「ブラック・パンサーは何をしたんだ?、このシーンでは彼は何を思ったんだ?、何が彼を動かしたんだ?、これは彼にとって全うな結果だったのか?」こういった問いかけにちゃんと答えられる内容になっている。そのために細心の注意を払ってきた。でも本作はこれまでにないスケールの作品で、かといって3時間半の映画にするわけにもいかず編集作業は大変だった。その点においては、時にはロジックが狂うこともあるかもしれないね。

-『ウィンター・ソルジャー』では素晴らしいアクションもありました。今作ではさらに多くのキャラクターたちが多種多様なパワーを持って登場しますが、どうまとめるのでしょうか?

ジョー・ルッソ:確かにキャラクターのパワーもスケールアップしているが、作品の世界観を少しばかり広げるようになればいい。我々の手に収める世界観だが、それは現実的でもある。『キャプテン・アメリカ』の世界観は他と比べても現実的なんだ。(ロバート・)ダウニーは素晴らしい仕事をしてくれた。複雑な関係性を演じてくれたよ。彼のこれまでの仕事のなかでも極めて興味深い役柄だと思う。とにかく最高の一言だよ。

-本作ではドイツの空港が舞台のひとつとなっているようだけど、その場所はキャップにとって因縁のようなものを感じます。キャップの物語は円を描くようにして次の『インフィニティ・ウォー』にも関係するのでしょうか?

アンソニー・ルッソ:確かにそれは重要なことだね。キャップの立ち位置に関しては細心の注意が必要だけど、これまでに描かれていない場所に立たせることも必要だった。キャップに関しては常に議論してきた。彼は様々な意味でタフで、力強く、そして常に中心にいる存在で、高い倫理観とモラルを持っている。こんなキャラクターをどうやってひっくり返す? 彼はトニー・スタークとは違うんだ。どうやってキャップを揺さぶるのか? そのためにはキャップの存在意義そのものを振り動かすことが必要だった。キャップがどうなってしまうのか、きっと多くの人が驚くと思うよ。

ジョー・ルッソ:ダウニーに例えればわかりやすいかもしれない。これまで描かれてこなかったようなトニー・スタークの、とても複雑で、暗い関係性が描かれることになる。

-ブラック・パンサーについても教えてください。彼はどのように絡んでくるのでしょうか?

ジョー・ルッソ:チャドウィック(・ボーズマン)は実直な役を演じてくれた。彼はブラックパンサーを具現化してくた。情熱があるよ。彼が初めてコスチューム姿で現れた時はコミックファンのスタッフたちが涙ぐんだほどだ。とにかくブラックパンサーが最初に現れる作品でもある。彼は優雅で激しく熱演してくれた。抜群だったよ。

アンソニー・ルッソ:彼は文化的な面からもかなり勉強していたんだ。たとえ空想上の文化だとしてもそれを実在のアフリカン文化に関連付けてくれたよ。

-ヴィジョンやスカーレット・ウィッチ、アントマンなど他の映画から参戦するキャラクターについても教えてください。彼らをどのように映画のなかに持ち込んだのでしょうか?

アンソニー・ルッソ:マーベル作品の素晴らしいことのひとつに、それぞれの作品がしっかりと区分されていることがある。批評的とも言える。映画は大好きだし、いつもこれまでにない作品で驚きと興奮を作り上げたいと思っている。だから『ウィンター・ソルジャー』では意識的に共通する作品世界の分岐点となるようにしたんだ。だから『ウィンター・ソルジャー』で描かれるキャップは『アベンジャーズ』のキャップとも40年代のオリジナルとも違っているはずだ。ジョーがすでに言及したけど、ユニバース全体をすこし揺さぶって見るのさ。それはすべてのキャラクターに波及する。これまでの作品との整合性を保つだけでなく、彼らに新しい服を見繕う必要もある。

ジョー・ルッソ:我々が影響を受けたものはコミックス黎明期の作品よりもずっとポストモダンなコミックスだった。だからヴィジョンはマント姿ではなく服を着ているし、周りに馴染もうと努力もする。どれだけ大きなパワーを持とうが、彼らは人間らしい限界を持っている。例えばヴィジョンは他に何も必要ないほどに強力だろうか? 彼には限界が必要だった。本作における彼の役割というのは彼自身の限界を見出すこととも言える。200mmの望遠レンズで覗いたキャラクターと40mmの広角で覗いたキャラクターとは随分と違って見えるものだ。見え方の問題なのさ。ジョス(・ウィードン)は壮大で広い視野を持ったコミックスの枠組みが好きなんだけど、我々はリドリー・スコットのように望遠レンズで覗くのが好きなんだ。するとキャラクターはこれまでとは違って見えるだろう。解釈の違いなんだ。

アンソニー・ルッソ:すこしばかりはそのイメージを汚しちゃうけどしれないけどね。

参照:collider.com/captain-america-civil-war-joe-anthony-russo-interview/

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