ライブレポート『明星/Akeboshi』、『Predawn』in 大阪 18,oct,2013

  2013年10月18日(金)に大阪梅田のライブハウス、Shangri-La(シャングリラ)に行ってきました。『Predawn』と『明星/Akeboshi』の両方が同じステージで観れるということで、前売り開始日に購入、おかげで一桁台の整理番号。

 18時半開場の19時開演ということだったのですが、ライブハウスに着いたのは18時45分。せっかくの一桁整理番号が台無しかと思いきや、中に入ると50人くらいしかいない。最大キャパがおそらく300から350くらいと思われる小さな箱ですが、開演直前でもまだまだ余裕があります。うーん、これはどうなんだろう。ライブのプロモーションも別に手を抜いていた訳ではないし、女性シンガーソングライターとしては注目株の『Predawn』と、メインには作曲や映画音楽でも幅広く活躍するシンガーソングライターの『明星/Akeboshi』。これだけのメンツで金曜日の夜に人が集まらないとはどういうことだろう。ここ最近の音楽情勢は、もうピーター・バラカンさんじゃなくても、ぜんぜん理解できないほど音楽的ではない何かによってめちゃくちゃになっているような気がする。別にAKBやジャニーズがどうということではなく、本来あるべき音楽の様々な顔が、ここ10年足らずの間で、有名無名の境があまりに大きく乖離してしまっている。これ以上、この手の話をすると悲しくなるのでやめます。

 そう、ライブレポートです!

 19時ちゅうど、暗転すると二人の男性がステージイン。てっきり『Predawn』と『明星/Akeboshi』の2アクトだと思っていたが、前座のようなかたちで二人の演奏がはじまる。『Revitalized』という名のギターとシンセのシンプルなユニット。最初は私の悪い癖で、あー、なるほど音響派ね、まあ、いいんじゃない、と斜に構えていたが途中からノイズ系になったり、タテノリになったりと、なかなか面白い。30分ほどの短い時間でしたが、これからに期待。個人的にはジャズ系のフロントラインなんかと共演したら面白そうな音だと思った。特に最後に演奏した曲にはちゃんと物語があり、どんどんと膨らんでいきそうでよかった。今回は客層が静かだったからちょっと可哀想だった。

Revitalized

Revitalized

 そして8時前。『Predawn』登場。ギター一本の弾き語り。バンドはなしの模様。一見すると小さくて可愛らしい女子高生みたいですが、彼女、聴かせます。“Keep Silence”,“Tunnel Light”,“Over the Rainbow”,“Milky Way”,“Suddenly”などを淡々と歌い上げてきます。別にAKBやジャニーズがどうとかではなく、ミュージシャンとはこうあってほしい。例えそれが可愛らしい女の子であっても、自分の歌を歌ってもらいたいものです。途中のMCもいわゆる“萌え”というでしょうか、私にはよくわかりませんが、小動物的な可愛らしさ満開でした。映画『500日のサマー』に出てくるズーイー・デシャネルのような雰囲気。来週には京都に来るそうです。

  8時半を過ぎたあたりで、『Predawn』はスタスタと退場。10分ほどのセッティングの後、『明星/Akeboshi』の登場。ピアノとドラムのシンプルな編成。ドラムスはもうおなじみの感のある『mouse on the keys』の川崎昭。以下、簡単なセットリストです。2、3曲分からないものがありましたが、大体こんな感じでした。
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 『明星/Akeboshi』 2013年10月18日 梅田 Shanguri-La でのライブ

1.Morning High

2.Sky in the Pond

3.One Step Behind the Door

4.Broken Bridge

5.Seeds

6.Yellow Bird

7.Peruna (take1 with Guitar)

8.Peruna (take2 with Piano)

9.Wind

10.曇り夜空

11.Faerie Punks (アンコール)

 いやー、さすがです。あっという間の一時間でした。面白かったです。
 特に“Peruna”に関しては、まずギターとドラムのバージョンをカメラで撮影した状態で演奏します。そして、曲が終わると、今度は撮影した映像や録音を、スクリーンに再生しながら、それに合わせてピアノのバージョンを生演奏で重ねていきます。つまり多重録音のライブなわけです。狭い会場と単発的なライブ、そういった状況をうまく利用した演奏でした。
 気がつくと最後の曲の“曇り夜空”。活動再開後にひっそりとライブ会場やネット販売のみに発売されたこの曲。音楽とイメージがこれほど幸福に寄り添っている曲も珍しい、良曲です。本音を言えば、あれも聴きたかったし、これも聴きたかったわけですが、限られた時間しかない以上仕方がないですね。ちょっと無理をしてでもいく価値のある数少ないミュージシャンだと思います。

 それにしても、きっと『明星/Akeboshi』はもうCD発売やライブツアーには、それほどの関心を持てなくなっているのだろうけど、それも今回の会場を見渡せば理解できるような気がする。
 結局、観客も途中から増えたとは言え、100人くらいだったのではないだろうか。悲しいかな、この状況をミュージシャンのみが背負わなければいけない現在の音楽シーンは、やはり健康的とはいえない。繰り返すが、別にAKBやジャニーズがどうということではなく(ひつこいかな)、売れているか、そうでないか、の二極によって成り立っている世界というのは不幸だ。以前のブログでカート・ヴォネガットの話を引用したが、我々には、売れている訳ではないが良質な音楽を聴きたいという欲求があるし、作り手にもそういった音楽を届けたいという気持ちがあるはずだ。その両者がこれ以上断絶するようなら本当に音楽シーンそのものが機能不全を起こしてしまうだろう。

 それからどうでもいいことだけど、今回のライブではなぜか「いじめ、かっこわるい」の前園さんがステージにやってきて、一瞬こんなところにもお詫び行脚に来ているのかと感心したが、よく見ると『明星/Akeboshi』ご本人だった。ほんとうにどうでもいい話です。

 

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