【ゴジラ第19作】『ゴジラ VS モスラ』について

7月25日公開のハリウッド版新作『ゴジラ』を記念して、東宝過去作全てを見直そうというマラソン企画第19弾は『ゴジラ VS モスラ』です。ド派手な怪獣対決は見物ですが、それ以外は残念で仕方ありません。それでも今見直すとなぜか微笑ましくなるとが不思議な作品です。

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『ゴジラ VS モスラ』1992年製作

監督:大河原孝夫

特技監督:川北紘一

脚本:大森一樹

出演:別所哲也、小林聡美、村田雄浩、大竹まこと、篠田三郎、宝田明ほか

音楽:伊福部昭

・ストーリー

前作のメカキングギドラとの闘いで海底に沈んだゴジラだったが、1993年の巨大隕石の落下の影響でとうとう目覚めてしまう。そしてインファント島でも開発の影響から巨大な生物が目覚めようとしていた。

一方、トレジャーハンターの藤戸(別所哲也)はタイの密林で宝物を探していたものの、結局は遺跡物窃盗の罪でタイの刑務所に収監されてしまう。そこに訪れた国家環境計画局からの依頼で釈放の条件としてインファント島での調査への承諾する。

そしてインファント島での調査で、とうとう巨大な卵とともに二人の小美人が現れ、その卵の正体は災いのもたらす怪獣バトラからインファント島を守る守護神モスラであることが語られる。しかし大金に目がくらんだ藤戸や開発業者らの思惑のなか、その卵を日本に運ぼうとするも、航海の途中で隕石落下により目覚めたゴジラが出現。この危機に卵からふ化したモスラが応戦し、またすでに名古屋を破壊していたバトラも参戦。三つ巴の怪獣戦となるも、ゴジラとバトラは海底火山のマグマのなかに飲み込まれていった。

なんとか日本に戻った藤戸一行と小美人だが、小美人二人を会社のイメージキャラに仕立てようとするなか、彼女らを追ってモスラも日本に上陸。国会議事堂に陣取り、とうとう成虫になる。そして同じ頃に富士山が大噴火し、そのなかからゴジラが復活。互いに成虫となったモスラとバトラの闘いに、呼び込まれるようにゴジラも参戦。ここで再び三大怪獣の三つ巴の闘いが始まる!

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・感想

前年公開の『ゴジラ VS キングギドラ』と本作はほとんど同じ作品のように感じる。というのもどちらも同じ理由でダメなのだ。まず安易なハリウッド大作映画の真似がいけない。本作の序盤、主人公がタイの奥地を探検するシーンは丸々インディー・ジョーンズである。オマージュとか引用とかのレベルではなく、どう見ても安易な「乗っかり」でしかなく、子供すら騙せないひどいシーンの連続です。しかもそのノリが、インファント島でも続き、ゴジラ史上に残るお笑いシーンの吊り橋からジャンプは本当にひどいです。しかも主人公が「ハムの人」だから余計に寒々しいのだ。

そしてラストシーンではモスラが宇宙に飛び立つのだが、そこまで怪獣を拡大してはいけないだろう。なぜモスラが宇宙まで飛べるのか。また敵の敵は味方という三つ巴戦では最もやってはいけない構図まで持ち出している。これではまず子供が納得しないのだ。

ただし原色が鮮やかな怪獣戦闘シーンはなかなか見応えがある。特に横浜を再現したミニチュアはゴジラ史上最大のスケールだけあって、奥行きと広がりがあって、怪獣たちの動きも連続的に再現することが出来ている。特にバトラによる観覧車攻撃は一見の価値あり。

とは言え本作も満足できる作品ではない。平成ゴジラシリーズでは最多の動員を記録し、全シリーズ中最高の収入となったらしいいが、こんな映画を撮っていたらゴジラの先もなくなることは必然である。せっかく東宝の代表怪獣が2体登場するのだから格闘シーンだけではなくドラマ部分でも手抜きしてもらいたくなかった。あとキャスティングもどうかしていると思う。

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4 件のコメント

    • ファンタさん、誤字の指摘ありがとうございます。
      インファント島と直させていただきました。

  • あくまで怪獣映画なので乗っかりにとどめて正解です。核心であるバトルシーンはよかったでしょ?

    • namaeさん、コメントありがとうございます。
      この怪獣バトルは、ミニチュアセットの素晴らしさと相まって見ごたえありましたね。これも川北さんの代表作だと思います。
      だからこそストーリー部分も頑張って欲しかったです。

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