【ゴジラ第八作】『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』について

7月25日新作『ゴジラ』公開までにこれまでの全ゴジラ28作を見直すという孤独なマラソン企画第八弾『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』のご紹介です。

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『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』1967年公開

監督:福田純

特撮監督:有川貞昌

脚本:関沢新一、斯波一絵

出演:高島忠夫、久保明、前田美波里、平田昭彦、土屋嘉男など

音楽:佐藤勝

・ストーリー ※ネタバレあり

海洋を飛ぶ観測機が海を進むゴジラを発見。進行方向には無人島のゾルゲル島があるのみだった。

そのゾルゲル島では国連の特別機関によって、楠見博士(高島忠夫)を中心とするチームにより、将来の食料難への対策として世界中のいかなる場所でも農地ができるようにするための気象コントーロール実験「シャーベット計画」が極秘裏に進められていた。そしてその噂を聞きつけたフリーのジャーナリスト真城(久保明)が許可なく着陸、チームに反対されながらもそこに居坐りはじめた。

真城は島の海岸付近で原住民の女を見かけるも、そこは無人島であるため周りには信用してもらえず、その最中、冷凍ゾンデを打ち上げての気象コントロール実験が開始されるも、謎の妨害電波によって実験は失敗し、結果、島は異常な高温に見舞われてしまい、島に生息していた大カマキリが怪獣カマキラスへと変貌することになる。

島を闊歩する三匹のカマキラスが妨害電波の発信場所に辿り着くとそこから一個の卵が現れる。カマキラスの攻撃によって割れた卵からはミニラが生まれた。そしてカマキラスから攻撃されるミニラを助け出すため、海洋からゴジラが出現。妨害電波の正体はミニラがゴジラへ発信していた救難信号であったことが判明する。ゴジラは熱光線によって二匹のカマキラスを瞬殺する。

実験所が壊滅したため途方に暮れる一行であったが、そこで島に住んでいた少女が日本人考古学者の娘であることを知る。カマキラスに襲撃されるも、少女サエコ(前田美波里)の案内で洞窟に研究施設を移転することにする。

熱病に襲われながらも実験を再開する一方で、ゴジラとカマキラスの闘いもはじまり、また蜘蛛の大怪獣クモンガも目を覚ます。

そしてチームは怪獣を冬眠させるために冷凍ゾンデを打ち上げる。過酷な環境に取り残された一行は無事にこの怪獣島から脱出できるのだろうか!

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・感想

もうここまで来ると何も文句はない。本作の見所は怪獣同士の闘いでもなければ、街を壊すゴジラでもない。カマキラスはただの大きなカマキリだし、クモンガもただの大きなクモだ。怪獣による驚きは何もない。しかしこれは映画史に残る子育て映画なのだ。

これまでのゴジラ作品に見られた緻密なミニチュアはほとんどなく、あるのは絶海の孤島で一匹のミニラを一人前に育てようとする親ゴジラの奮闘のみである。その点のみにおいてロバート・B・パーカーの名作『初秋』に通じるものがある。またミニラはその外見から怪獣ファンから度々暴言を浴びせられてきているが、今回じっくりと見てみると一周回って可愛く思えてしまったのは、きっとゆるキャラブームのおかげだろう。ゆるキャラの命名者のみうらじゅん氏は大の怪獣ファンであることを鑑みれば、ミニラこそが初代ゆるキャラと言えるのかもしれない。

そしてここ数年はダウンタウンの笑ってはいけないシリーズでしかお目にかかることもない前田美波里は50年近く前はまさしく絶世の美少女であったことを忘れるべきではない。

また本作で高島忠夫演じる楠見博士の、熱病でバタバタ仲間が倒れて、発狂者まで発生するのを目の当たりにして、やっとこさ方針を見直すというブラック企業の社長なみの奴隷主精神も見所だ。

とにかくここにはもうオリジナルゴジラの精神は見て取れない。しかしそういった不満もミニラのかわいさ(=不細工さ)の前には大きな問題とも思えない。きっとそういう時代だったのだろう。

そして本作のラストシーンでは八甲田山ばりの過酷さと、『チャンプ』ばりの親子愛はなかなか途方もなくて素晴らしいのだ。

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