日本の映画事情に絶望するあなたへ、「ムービーツーリズム」のススメ。

劇場公開は世界最遅、勝手に編集、吹き替えは素人起用など、日本の映画事情に絶望するあなたへ贈る、「ムービーツーリズム」のススメ。日本を出て映画を観よう!

Secret life of walter mitty plane poster

前口上

どうも映画ファンの皆さん、こんにちわ。

2015年は近年に例がないほどに大作映画が目白押し。先陣を切る形でユニバーサルの『ワイルド・スピード SKY MISSION』が公開され記録的大ヒットになっており、今後は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『マッドマックス』、『ジュラシック・ワールド』などが控えて、年末には『007 スペクター』と『スターウォーズ/フォースの覚醒』と映画ファンにはたまらない日々が続きます。

でもね、そんな幸福な日々に水を差すように、近頃は映画ファンたちの怒りの声がツイッター上などでよく聞かれます。要約してみると、

  • 世界中で大ヒットした作品も日本では劇場公開されない
  • 吹き替えがヒドイ
  • 監督の意向を無視してまで日本仕様に編集しちゃう
  • 日本向けポスターのコピーが意味不明
  • 日本公開、遅すぎだろ

と、こんな感じだと思います。こういった不満は至極まっとうなリアクションで、日本の映画会社の経営はどこも厳しいものと知りつつも、そういった事情に呼応するように映画ファンの憤懣も高まっている今日この頃です。その憤懣は一言で言うことこんな感じ。

俺たち(私たち)、舐められてる?

映画産業が斜陽となるなか少しでも映画館に観客を呼び込もうする営業努力(アイドルの乱用や恥ずかしいコピーなど)の数々が、これまで地道に映画を支えてきたファンたちには全く向いていないことが原因です。実はこの悪循環はもう後戻りできないほどに複雑化して、産業構造そのものが原因化してしまうという不幸な事態になっています。ワイドショーで取り上げてもらい高騰する広告費を回避する目的で、アイドルや旬な芸能人を声優として抜擢する慣習はその顕著な例です。そこでは映画の内容には触れられず、一発芸や日本語版主題歌の宣伝のみにしか使われません。現在の日本での映画の売り上げは、映画の質ではなくその声量(広告)によって大きく左右さるような仕組みになってしまっているのです。

前述のような映画ファンの声はどこにも届かずに、その想いを共有する人々の間でグルグルと回遊するだけで、やがてはその呪詛の言葉によって自らを傷つけ、このままではどこかの水族館のマグロのように全滅なんて事態を待つだけのようにも思えるのです。これはいけません。少なくとも昔はこんなんじゃなかった。

もちろん現状の改善を強く望むも、それが達せられないのなら自衛策を講じなければなりません。そこで高らかと宣言するのが「ムービーツーリズム」!

「ムービーツーリズム/Moive-Tourism」とは!?

長ったらしい前口上の割には、大したことなくてすみません。あと現在の日本の映画事情に不満を感じていない方はここからは確実に時間の無駄になりますので、ご注意ください。

「ムービーツーリズム」とは私が勝手に作った言葉(他に使っている人がいたらゴメンなさい)で、映画鑑賞目的で海外旅行をするということです。映画のロケ地巡りとかではなく、映画を観ます。海外の映画事情に触れながら日本では得られない様々な映画体験を通し、翻って日本の映画産業の持続可能性について考えるという高尚な目的があってもいいですが、単純に「さっさと最新映画を見たい」という気持ちの暴走です。日本での映画公開事情に不満があるのなら、海外で見ればいいじゃないか、ということです。ついでに美味しいものを食べて、観光もして、日本では紹介されないような現地のマイナー作品も観てしまう。勝手に「ひとり映画祭」な気分を味わってしまおう。ただそれだけです。

もちろんそれにはいくつかのハードルがありますし、誰にでもお勧めできるものではないことは承知しています。しかし一つの選択肢としては検討してみる価値はあると思います。

まずこの下記の表をみてください。

公開日比較表 BEAGLE the movie

2015年公開の話題作12本を集めて、その公開日をアメリカ、日本、そしてシンガポールの3カ国で比較してみました。その結果、全12作でシンガポールよりも日本公開が早かったのはピクサーの『インサイド・ヘッド』だけで、他は先を越されています。それどころか何より衝撃的なのは全12作中で8作は日本が世界で最も遅い公開日だったのです。とんだ映画公開後進国なんです。

「よっニッポン、真打登場!」とかそんなのいりません。

しかし実はこういった大作映画はまだいい方で、中小規模の作品となれば半年遅れでも公開されるだけマシ、いつまで経ってもソフト化もされないケースもあります。一例としては2015年5月29日に日本公開される『ピッチ・パーフェクト』で実はこれは3年前の全米公開作品で、その続編が発表されたから帳尻合わせのために日本で公開されるのです。ミュージック・コメディ映画としては『スクール・オブ・ロック』に次ぐ大ヒット作品が、その間、日本ではソフト化さえされていなかったのです。

つまり、日本ではただ待っているだけではもう観たい映画が観られなくなっているのです。

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※「ムービーツーリズム」実践編は次のページ※

secret-life-of-walter-mitty-plane-poster.jpg
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6 件のコメント

  • ムービーツーリズム……実践はしたことないですが、昔、「トランスフォーマー」の初実写化作品を香港で見たことがあって、その時、英語セリフ+中国語字幕の違和感の無さと、当時オープンして間もないシネコンの普通料金の座席の快適さ(靴を脱いで座面に立膝で見ても十分な広さ!!)に驚いたことがあります。
    それまでも日本公開のあまりの遅さに、いっそアメリカまで見に行ってしまおうか……と地団駄踏んだことはありました。
    その後、残念ながら海外で映画を見る機会は得られていませんが、今回の記事を拝見して、マレーシアは個人的に興味があることもあり、ちょっとその気になってきました(笑)。
    久しぶりの海外旅行、仕事やらなにんやらの都合で昔ほど気軽に行けなくなってるけど、頑張ってみようかなあ。

    • 中国語字幕なら確かに違和感なさそうですね。
      香港やマレーシアならLCCをうまく使えば、週末旅行も可能だと思います。
      あと値段も日本に比べるとやっぱり安いですしね。
      マレーシアは料理もおいしいんでオススメです。

  • こんにちは。
    毎日このブログをのぞかせていただいてますが、とてもこの記事には共感させられました。

    最近興味があり、この「日本映画界の現状」ということをかなり深く調べているのですが、この記事にもあった通り、掘れば掘るほど絶望的な現状が出てきて、最早手の打ちようがないほど酷いのだなと強く感じています。
    私が疑問に思い始めたのは『きっと星のせいじゃない』がきっかけでしたが、それ以上に酷いものがたくさん出てきて本当に絶望しています。

    ムービーツーリング、面白そうですね。
    やったことはありませんが、字幕なしで見るのに慣れるということには私も同意します(どうしても予告は字幕なしで見ることが多くなってしまうので)。
    やっぱりアメリカがいいのかなと思っていましたが、案外アジアがいいんですね。
    チャンスがあればやってみようと思います。

    • shimahamaさん、コメントありがとうございます。
      こういう内容に共感をしていただくというのは、本当は悲しいことなんですけどね。
      結局は、宣伝費に収益のほとんどを持って行かれ、制作会社も配給会社も劇場もどこも儲からない仕組みが悪いことはわかるんですが、それは僕ら観客には全く関係のない話なんで、どうしようもない訳です。
      『きっと、星のせいじゃない。』も公開遅かったですし、同じ原作者の『ペーパータウン』もアメリカでは7月公開ですが日本はどうなるんでしょうか。
      ハリウッド映画を見るためならやっぱりアメリカが一番ですが、アジアも本国よりも早く公開されたりして観やすい環境にありますので、是非お試しください。

  • ムービーツーリズム、素晴らしいアイディアで、記事の内容も共感できることが多くありました。
    自分は現在海外で暮らしているのですが、日本にいた時は公開が一回り遅かったところが、海外にいると素早く観れることに気づき、改めて日本が後進国なんだなと感じました。また、海外にいて一番の楽しみといえば、日本未公開作品、または日本でDVDスルーになってしまうような作品、例えばメリッサ マッカーシーの出演する映画などが巨大スクリーンで観れるのは、一種の贅沢を味わうような得した気分になれます。また、日本語字幕なしで見る効果というのは、字幕を目で追わなくてすむので、最高の気分で映画に没頭できます。また、英語もだんだんとわかるようになり、一石二鳥です。
    今の日本の映画業界を見て、疑問に思ったのが公開時期の遅さとは別に、あの新作DVDの宣伝にくる芸能人やアイドルの映画とはまったく関係のない話をするところ、映画を侮辱しているのではないかと思う時があります。また、ハリウッド大作のジャパンプレミアに同行している芸能人も、この映画の大ファンですなんて言いますが、本当に映画を理解してるの?と思うような節が多く見つかります。さらには日本のシネコンの上映作品をよく調べるのですが、確かに日本作品が多くなっているのが最近の特徴だなと思いました。海外映画の上映が少なくなっているのです。ましてや日本映画といえ、陳腐な恋愛映画や漫画原作の映画が上映されまくっているところを見ると、日本映画の将来がないように感じます。日本に帰国中に、シネコンで映画を見る機会があったのですが、多くの女性が関ジャニのエイトレンジャー2の立て看板に群がっていて、海外映画には見向きもしない場面を見て、日本人の特殊性から公開時期が遅れてしまうのか、などと考えてしまいます。
    最後に、今月はサンディエゴでコミコンが行われているので、話題作の情報を待ちながら映画を楽しんでいきたいと思います。

    • movieboyさん、コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り、単純に観たい映画が日本でみれないということに加え、そういう状況が続くと日本映画はどんどん地盤沈下していきそうで、嫌になります。
      映画ファンと一般の人々とがかなりかけ離れていて、コミコンのような盛り上がりが日本では全然一般にはなりませんよね。

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