音楽『Blue Bossa/Joe Henderson ブルーボッサ/ジョー・ヘンダーソン』

 あらゆるジャズミュージシャンは2つのカテゴリーのうちどちらかに必ず当てはまる。早死にするものとそうでないもの。今回紹介する『Blue Bossa』の演者ジョー・ヘンダーソンは60台半ばまで生きたのでジャズミュージシャンにあっては長生きした方だと思う。しかも彼の場合は演者としては60年代にキャリアの頂点を迎えながらも商業的には80年代後半から90年代にかけて大成功を収めるという他のジャズミュージシャンにはない珍しい体験までしている。
13262674583971 1937年生まれの彼、ジョー・ヘンダーソンはテナーサックス奏者として60年代にジャズの老舗レーベル・ブルーノートにていくつかの印象的な作品を残している。ジャズとロックの幸福な出会いとも言われるリー・モーガンの『サイドワインダー』やホレス・シルバーの『ソング・フォー・マイ・ファーザー』など、他にもハービー・ハンコックやケニー・ドーハムなど作品で落ち着いたトーンの演奏を聴かせてくれる。そして彼にとって初めてのリード作品が『Page One/ページワン』だ。そしてブルーノートレーベルのなかでも未だに人気の高いボサノバ曲が『Page One/ページワン』に収録されているトランペットのケニー・ドーハム作曲の哀愁のあるメロディーが印象的な『Blue Bossa/ブルーボッサ』

 ジョー・ヘンダーソンとケニー・ドーハムのアンサンブルではじまるテーマ。そしてまずはドーハムのソロそしてヘンダーソンへとバトンタッチされていく。ヘンダーソン、ドーハムどちらも一般的には地味な演奏者と言われているのだが、本作を聞く限り特にヘンダーソンの演奏はとてもポップで聞きやすい。元々は比較的保守的なバッパーだったヘンダーソンもやがてはフリージャズに近い演奏にも参加することになっていくのだが、そうやって彼の演奏を聴いていると本当に器用な演奏者だったことがわかる。新主流派の主要メンバーともされてる彼ですが、個性を強烈に主張するマイルズやコルトレーンの演奏とは違いどこか控えめでおしゃれな彼の演奏には50年前に録音された音楽とは思えないような新しさがある。
joe-henderson-22our-thing22-cover-session-october-1963 ちなみに彼ジョー・ヘンダーソンは一時的にあの伝説のマイルスのクインテットに在籍していましたが残念ながら録音は残されておりません。一体マイルスの強烈な個性のもとでは彼の柔軟な演奏がどう響くのか聴いてみたかったですね。私はこの『Blue Bossa/ブルーボッサ』を梅雨の季節によく聴くことになります。じめじめして一年で一番嫌な季節であるけど、本来は太陽カンカンなイメージのボサノバですがなぜか妙に相性がいいです。またYou Tubeには古いジャズの演奏がたくさんアップされています。そのなかでデクスター・ゴードンの76年の演奏の『Blue Bossa』 がありました。映画『ラウンド・ミッドナイト』ではよれよれのジャズお爺さんを地で演じたデクスターですが切れのいい演奏を聴かせてくれます。

 

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